学生ぶりのテニス、何から戻せばいいか
「高校のとき部活でやっていた」「大学のサークルで少し」という人が、10年ぶりにテニスを再開しようとするとき、実は完全な初心者より不安が大きいことがあります。
理由ははっきりしていて、昔の自分の感覚を覚えているからです。打てていた記憶があるぶん、今の自分とのギャップが直接見えてしまう。未経験の人は「できなくて当たり前」から始められますが、ブランク組にはその逃げ道がありません。
ここでは、再開したときに実際に何が起きるかと、どこから戻していけばいいかを書きます。
最初の1回で起きること
体は覚えている。でも動かない
驚くことに、フォーム自体は意外と残っています。ラケットを持つと、体が勝手に構えの形を作ります。素振りだけならそれなりに見えることも多いです。
問題はそこから先で、ボールに追いつけません。頭が「そこに落ちる」と分かっていて、体が動く前に落ちています。これがブランク組の最初の壁で、技術ではなく単純な移動速度と反応の問題です。
なので最初の1回は、「打てない」より「間に合わない」という感想になります。これは正常です。
3日後に来るもの
その日は意外と平気でも、2〜3日後に筋肉痛が来ます。しかも来る場所が独特で、多くの人が次の3か所を挙げます。
- 前腕(ラケットを支え続けるため)
- ふくらはぎ(細かい切り返しの連続)
- 脇腹(スイングの捻り)
腕や脚の「よく使いそうな場所」より、支える側の筋肉が先に音を上げます。普段のランニングや筋トレでは鍛えていない部位なので、運動習慣がある人でも来ます。
戻す順番
1. まず「追いつく」を取り戻す
最初の数回は、きれいに打とうとしないことをおすすめします。フォームを気にするより、ボールの落下点に体を運ぶことだけ考えたほうが、結果的に早く戻ります。
追いつけるようになると、フォームは勝手に戻ってきます。逆に、動けないままフォームだけ直そうとすると、無理な体勢から打つ癖がついてしまいます。
2. ラリーを続けることを目標にする
次の段階は、強く打たないことです。ブランク組にありがちなのが、昔の感覚で振ってアウトを連発するパターン。筋力は落ちていても、スイングの記憶は残っているので、力加減だけがずれています。
「10回続ける」を目標にすると、自然と力が抜けて安定します。強く打つのはそのあとで戻せます。
3. サーブは最後でいい
サーブは動きが複雑なうえに肩への負担が大きいので、体が慣れる前にやると痛めます。実際、再開してすぐ肩を痛める人はだいたいサーブが原因です。
数回通って体が動くようになってから戻すくらいで、ちょうどいいです。
道具は買い替えたほうがいいか
当時のラケットが家にあるなら、まずはそれで構いません。 ただし2点だけ確認してください。
**ガット(ストリング)**は、張ったまま何年も置いていると劣化して、テンションが落ちています。切れていなくても、打球感が別物になっています。数千円で張り替えられるので、続けると決めたら最初にやる価値があります。
グリップテープは、経年でベタついたり硬化していることが多いです。これは数百円なので、迷わず交換してください。
ラケット本体は、10年程度なら十分使えます。買い替えを検討するのは、続くと確信してからで遅くありません。
サークルで浮かないか
ブランク組がいちばん気にするのがここだと思います。実際のところ、社会人サークルはブランク組がかなりの割合を占めます。
理由は単純で、社会人になってからテニスを「始める」人より、学生のときにやっていた人が「戻ってくる」ほうが多いからです。私たちのサークルも、未経験スタートとブランク組で半分以上になります。
なので「昔やっていたけど全然できない」という状態は、その場でいちばんよくある状態です。珍しくもないので、誰も気にしていません。
むしろ経験者側から見ると、ブランク組はルールを知っているという大きな利点があります。スコアの数え方、サーブの順番、コートの立ち位置を説明しなくていいので、すぐゲームに入れます。これは未経験の方にはない強みです。
沖縄で再開するなら
体が戻りきっていないうちは、暑さの負担が大きい点に注意してください。動けないぶん効率が悪く、同じ時間でも消耗します。
再開の1回目は、できればナイターか早朝にしてください。夏の日中に「昔できたから」と入ると、テニスより先に暑さで終わります。
私たちのサークルは水・金のナイターと土曜の早朝に活動しています。ブランク組が多いので、久しぶりの1回目でも浮きません。ラケットの貸出もあるので、家のラケットの状態が分からない状態でも来られます。